腹話術伝道の学び

No.5「自分に与えられたテーマ」

「ダビデは、その生きていた時代において神のみこころに仕えて後、死んで先祖の仲間 に加えられ、ついに朽ち果てました。」

使徒13:36

 15年も前の出来事ですが、ある教会で奉仕のための打ち合わせに出かけた時、同席していた老 牧師先生が、私に向かってこう尋ねました。「あなたのメッセージのテーマは何ですか?」私は 一瞬、何のことを言われたのかわからず、答えに窮したことでした。それまでの私は、ただ“イ エス様による救いを伝えること”以外に、これといったポイントは意識しないまま奉仕を続けて いたからです。それでも、今思えば、私の書く台本は、単なる聖書物語ではなく、「神を信じて 生きるとはどういうことですか?」という問いかけに満ちていました。これもテーマだといえば 大きなテーマであることには違いありませんが、問いかけで終始して明確な答えがないのでは、 厳密にはメッセージとは言えません。神の子として腹話術で主を証しするためには、術者ひとり ひとりが、自分の人生を通して与えられた「福音のひとつの切り口」ともいうべきメッセージの テーマを持つことが重要だとわかったのは、だいぶ後になってからでした。

今という時代に生かされている自分を意識してください

私たちは、20世紀に生まれ、今21世紀始めの日本に生かされています。過去の時代でも未 来の時代でもありません。今なのです。それぞれに違った生い立ちをもち、成長し、様々な経験 の後、人生の後半に入っています。あと何年生きるかは、主のみぞ知るですが、これまでの人生 で神はどのようなお方だと体験してきたでしょうか。天変地異に満ちた此の頃であっても、変わ らず「これこそ真理だ」と言える事は何だとお考えでしょうか。みなさんの波乱万丈の歩みの中 で、一番心に残り、そこから何を学んできたのでしょうか。聖書は永遠の神の真理を語っている 本ですが、生きておられる神は、その時代とその時代に生きる人間ひとりひとりにも語りかけて おられるのです。真理は変わらなくても、みことばの適用はいたって現代的、今日的、かつ個人 的なものでもあるのです。「自分はこれまでの人生で何を学んできたのか」ということを、じっ くり考えるひとときをもちたいものです。

神は、私たちにみこころ(目的)を持っておられます

神は、みなさんをひとりひとり違うように、母の胎で形作り、生まれる前から、聖別し、その 人生に計画をお持ちでした。(詩篇139:13~16)私たちがどんな人生を歩み、神と出会 い、何を学ぶかも最初からご存知なのです。そして、そこから学んだメッセージを人々に分かち 合うことをして欲しいと願っておられるのです。そのようにして、神の栄光がほめたたえられる ことを、神は最も望んでおられるからです。

リック・ウォレンはその著書『人生を導く5つの目的』の中で、「神はわたしたちに、人に分 かち合うべきライフメッセージ(人生の物語)をお与えになりました。」と語っています。 (380~389頁)そして、ライフメッセージには、私たちの「救いの証し」「人生の教訓」「信仰的 情熱」「福音」の4つのポイントが含まれると説明しています。

謙遜に自分の役割を果たすことが大切です

神は霊なるお方であり、天地万物の創造主です。そのお方について語るのに、どのような神学 をもっても、どのような説教によっても、完全には語りつくすことはできません。それは私たち が被造物であり、思考も体験も限界があるからです。ですから、自分が語るメッセージで福音の すべてが表現されていると考えるのは傲慢ですし、他人が語るメッセージを軽視することもあっ てはなりません。「救いとは何か」ひとつとっても、聖書には実に多くの概念が含まれているの です。私たちは、そのすべてを体験的に知ることはできないでしょう。それでも、自分に与えら れた、いたって個人的な経験を通して教えられたことを、大胆に語ることが許されているので す。特に自分の弱さや失敗から学んだことは、語るには勇気がいりますが、聞き手からすると大 変有意義なものです。

なぜなら、あなたのそのメッセージによって、誰かが励まされ、教えられ、神に対して目が開か れるかもしれないからです。そのようにして、神は私たちひとりひとりをお用いになるのです。 ですから人類救済のために、神の子とされたすべての人が必要なのです。

2011年7月8日

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